自分は日本経済の最前線で仕事をしている自負がありますが、日本経済の成長率はバブル崩壊以来、いっこうに高まる気配がありません。
ほとんどの日本人も、経済が良くなったという実感を持ってないですよね。
その理由を示し、どのすれば日本経済が復活するのかを示しているのが「『追われる国』の経済学」です。
この記事では、この本のポイントを書いていきますね。
日本経済が長期低迷している要因は、中国などの新興国に追い上げられたため
この本では、日本経済の成長が頂点に到達したのは1960年代だったと説明しています。
この時期は、多くの家庭で子供を5人前後産んでいました。
そして、農村部の子供たちは学校を卒業すると、都心部に出て就職しました。
彼らが低賃金で、大量に電化製品や自動車の生産に従事したことにより、日本企業は安い価格の製品を海外に輸出することができたんですよね。
そして、多額の利益を得ることに成功しました。
ところが、1980年代にバブルを迎えて、日本人の人件費は高騰したんですよね。
日本人は裕福になったわけです。
ところが1990年代に入ると、かつての日本と同じ手法を用いて、今度は中国が安い労働力を用いて大量の製品を製造して海外に輸出するようになりました。
さらに2010年代に入ると、ベトナムやインドネシアも安い労働力を用いて、低価格の製品を海外に輸出しています。
これが日本企業が海外での競争に敗れるようになった要因だと、この本では説明しています。
日本経済が復活するためには財政健全化ではなく、財政出動
この本では、日本経済が復活するためには、財政健全化をおこなうのではなく、むしろ政府が財政出動をして国内需要を生み出す必要があると説いています。
そして、1990年代に消費増税をおこなったことが原因で、日本経済が不況に突入したことを批判しています。
当然ですよね。
増税すれば、日本人は消費を控えてしまいます。
2014年にも同じ現象が起きましたよね。
この本では、政府が財政出動をして効果の高い分野に積極的に投資をすることで、日本経済の成長率を高めることが重要だと説いています。
日本国内で製品を製造して、海外に輸出することで経済成長できる時代は終わりました。
そのため、政府主導で新たな投資を行い、国内需要を盛り上げることで経済成長を高めることが唯一の方法なのです。"
この本を読むと、過去の高度成長時代の方法を取り戻すことは困難だと気づかされます。
そして、これから日本経済を復活させるためには、日本政府が主導して、日本国内で新たな分野に投資をすることが重要なのだと気づかされます。
そのことによって新たな雇用や、新しい形での消費が生まれるからです。
実際、製造業が廃れてしまったアメリカでは、パソコンやソフトウェア、iPhoneなどが誕生して経済が活性化していますよね。
日本もアメリカを見習って、政府主導で投資を進めるべきです。
財政健全化を実施したら、再び不況に突入してしまいますよね。